2003/06/20 
公明党兵庫県会・神戸市会合同勉強会に参加「定住外国人の無年金対策について」

 平成15年、6月20日(金)午前8時より恒例の県・市勉強会が行われた。今回のテーマは「無年金 外国人高齢者等への給付急げ」と題して、佐藤耕壽氏[障害者地域生活支援代表兼障害基礎年金の国籍条項を撤廃させる会代表]および李相泰氏[同会世話役]からご講演を頂いた。

 先ず、佐藤氏は在日外国人の無年金問題についてのこれまでの法的な経緯や無年金問題に取り組まれたきっかけ、活動等について述べられた。

 佐藤氏が在日外国人の無年金障害者を知ったのは、1989年、12月でその当時勤めていた神戸市立垂水養護学校において、卒業生の進路説明会に話しにきてくれた卒業生から「同期生には障害基礎年金が出ているのに、私には韓国籍だということで支給されない。これは、外国人に対する差別と違うんですか、・・・部落差別や朝鮮差別をしてはならないといいながら、韓国籍ということで、何故、年金が受けれないのですか」と問い質され、返す言葉すら見つからなかったと当時を述懐された。

 その後で、年金制度のながれにふれ、「特に1982年の難民条約発効によって国籍要件が撤廃され、在日外国人も加入できるようになったが、経過措置が講じられなかったたため、当時20歳以上の障害者と86年4月1日現在で60歳以上の高齢者は長年にわたり、無年金の状態に置かれたままである。」との説明があった。

 更に、「1986年の新国民年金法改正の時、国籍要件で加入できなかった期間を被保険者期間に算入したことにより、一部救済された人もいたが、(60歳未満の永住許可者のみ)との制限があったことから、依然として60歳以上はカラ期間が認められず、やはり無年金者となっていた。(したがって、現在41歳以上の障害者、77歳以上の高齢者については無年金の状態に置かれている。)」との説明の後、具体的な無年金対策についての活動について次のような経過が述べられた。

 「在日外国人の無年金対策については、本来、国の年金法改正が必要だが、それまでの間の代替措置として、各自治体に対し対象の住民に対し「給付金」が支給されるよう積極的に運動を起こした。「傷害年金の国籍条項を撤廃させる会」を1990年、4月に結成し、先ず神戸市に要望、交渉、議員工作、陳情などに取り組んだ。その際、公明党市議団の上田大人元議員や大西元議員に大変お世話になった。取り組みの結果、翌91年、4月より「重度心身障害者特別給付金」が支給されることとなり、全国注視の的となった。」

 「一方兵庫県では、1998年から年金を受給できない在日外国人の高齢者と障害を持つ人を対象に、福祉給付金事業を実施しているが、同事業では県の補助額が高齢者の場合で5000円、障害者で1万円が限度であったが、2001年の4月からは倍額支給となり前進した。」

(講演では具体的にお話はなかったが、兵庫県の給付金の引き上げの背景には 2000年11月県議会公明党が在日本大韓民国民団兵庫県地方本部(具謨俊団長)の車得龍副団長、金光男事務局長と会い、給付金の引き上げなどの要望を受け、県議会公明党として、要望の趣旨を承り、2001年度予算案に反映できるよう全力で取り組んだ結果、2001年の4月から高齢者・障害者への支給額がそれぞれ倍額されるようになった経過がある。)

 佐藤先生の講演の後、李相泰氏からは兵庫県の永住外国籍無年金者政策として、給付金の改正がなされたものの日本人の受給している国民年金額に比べると小額であること、県と市町の共同事業の位置付けに見合った給付金の支給をすること、所得制限を廃止すべきことなどの問題提起がなされた。

 *公明党の取り組み

 国における無年金対策については、2002年9月、民団(金宰淑団長)らが厚生労働省で坂口力厚労相と会い、過日に発表した無年金障害者の救済試案に歓迎の意を示した上で、「障害者だけでなく高齢者にも福祉的措置を」と要請した。救済試案ー坂口試案とは「無年金障害者」について全額公費で福祉的措置をとるという案。金団長は、「定住外国人は年金制度の周知徹底不足ではなく、制度に入りたくても排除されて無年金になった」として高齢者も救済の対象に加えるよう要望した。坂口厚労相は「どこかで無年金問題解決の突破口を開こうと思い、独自案を発表した。年金財源から出すわけにいかないので、余計に苦しい。実態が不透明なので、来年度に調査し全貌を明らかにした上で検討したい」と応えた。